薬?確かにあれを飲めば楽にはなるけど・・・。
その代り何も考えられなくなる・・・。嫌だ・・・。飲みたくない。
頭の中が真っ白で誰かの事や何か大事な事を一つ一つ忘れて
行くような錯覚を受ける。今日は何日?私はこのままここで死ぬんだろうか?
どうしてこんな事になったんだろう。
「和也君どうして?私和也君に何かした?」
「つくしちゃん、まだ忘れたらいい事覚えてるんだね?
どうせ忘れるだろうから、全部教えてあげるよ。つくしちゃんが
聞きたい事知りたい事・・・。」
「聞かせて。」
「つくしちゃんが英徳に居た頃俺はつくしちゃんが好きだったのに
道明寺と付き合って僕を蔑ろにした。まあそれは許してあげる。
高校時代、道明寺にうちが危機的状況に陥れられた時から
僕の家は傾き出したんだ。徐々にだけどね。
気付いたら英徳大に行くお金さえなかった。それから
僕も働きながら大学をどうにか卒業した。そのストレスが思ったよりも
強くてね。好きな女の下着に目が行くようになったんだ。
そう、つくしちゃん君にだよ。君への執着が消せなくなったんだ。
君の部屋の合カギを手に入れるのは簡単だったよ。
弟が来る時に、部屋の鍵をドアの前の植木の下に隠してたよね?
あれをちょっと借りたんだ。それで合カギを作った。あゝその前には
ベランダに干してあった下着を貰った事もあったな。
ちゃんとコレクションしてあるよ。つくしちゃんは白より水色が
多くて、僕はそれを特に好んだ、何故か白は嫌いだったよ。だから白は
そのままにした。あれって男と寝る時用でしょう?
勝負下着?あれを履いて男に抱かれるつくしちゃんを想像すると辛いしね。
つくしちゃんはあの日の事を覚えてるかな?二度目に下着泥棒に入った日だよ
つくしちゃんに全てを話して謝罪をしようとしたんだ。でもお祖父ちゃんが
倒れたって病院から電話があった。だからあのままになった。
次に行った時にはつくしちゃんは引っ越した後だった。捜したよまさか
あの花沢と一緒に暮らしてるなんて思いもしなかったよ。
本当につくしちゃんって男好きだよね?
セレブとばかり付き合ってもどうせ棄てられるのに馬鹿だよね。」