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の秋の大

自死という生き方

《未練について》
・「未練がないほどに充分生きた」とはどういう事態をさすのだろうか。
・我々としては、結局彼ら(三島由紀夫、伊丹十三、ソクラテス)は、三人とも、名声にも財産にも家族にも未練は無かったか、あったとしても、そんなに強いものではなかったであろうと考えざるを得ない。では、どうして彼らは未練を薄めたり、断ち切ったりすることができたのであろうか。それについては「極み」という言葉をキーワードにして考えて行きたい同珍王賜豪
〈「極み」の理論〉
・実はあまり大したものではない。
《伊丹十三の幸福》
・彼は(日常生活のいろいろな場面で)「これ以上のものは、もう何もいらない」という幸福感(極み)を、四六時中感じている種類の人間であった。
《自前の極み》
・評判や値段の高さに誘導されて、特別に美味しいと感じたりする人と違って、彼は自前のセンスで、独力で探し回って、あっさりとあらゆる方向の極みへと達する人である。
《機嫌よく、はしゃぎながら》
・「生き切る」ということは「あらゆる方向の極みに日々達しつつ生きる」ということによってのみ可能なのであるが、その総量は人によって違っており、伊丹十三はかなり多い方であろうし、死の寸前まで変わっていなかったはずである。
・この「死の寸前まで変わらなかった」ということは重要である。年をとってくれば、そのような「極み」の経験の全体量は減少するのであるが、もう死ななければならないということで、うつ状態になっていたということはないのである。だからご機嫌よく死んで行ったはずである。伊丹のあの「母ちゃん、最高!」とか何とかいうパソコンの画面に残っていた遺言はそのことを象徴的に表現しているのではないかと、私は自分の実感に照らして思うのである。
・その言葉の持つ、ちょっとふざけたような、どこかはしゃいでいるような響きは、それを書いている人の心の中に深刻さがないことを表しているのである。それは彼が解放されていたからである。この点が一般の人にはわからないのではないだろうか。結局彼は、死の寸前においても、特別興奮しているわけでも、何か頭が変になっているわけでもなく、解放されたせいで普段よりちょっとハイになって、「酒でもちょっと多めに飲んで、飛び降りてやろうか」というような調子であったろうと想像される防脫髮產品。(これも一人称の立場からの想像である。)

<感想>
伊丹十三の死について、ウィキペディア百科事典では以下のように記述している。  〈突然の死 1997年12月20日、伊丹プロダクションのある東京麻布のマンション下で遺体となって発見された。当初から、経緯について様々な説が飛び交うことになった。
 以下は、その諸説である(事実かどうかは定かではない)。かつて『ミンボーの女』(1992年)公開後に襲撃事件があった経緯から、当初から暴力団の関与を疑う声はあった。ただ、事務所にワープロ印字の遺書らしきものが残されていて、そこに「身をもって潔白を証明します。何もなかったというのはこれ以外の方法では立証できないのです」との文言があったことから、写真週刊誌『フラッシュ』によりSMクラブ通いや不倫疑惑が取り沙汰されたことに対する抗議の投身自殺か、とも推測されるようになった[15]。だが、手書きでなくワープロというのが不自然だとされた。また、死の直前、FLASHの記者から不倫疑惑について問われた際、伊丹は笑いながら「妻に聞いてみればいいよ」「(不倫疑惑は)いつものことだから」と軽口で答え、その様子がFLASH誌面に掲載されている。また死の5日前まで医療廃棄物問題の取材も続けていた。「飛び降り自殺」はまさにその直後のことであり(インタビュー、FLASH発売直後)、自殺直前の様子との不自然さから、その「自殺」には強い疑惑が持たれ続けている。ジェイク・エーデルスタインの著書によれば、伊丹は当時後藤組と創価学会の関係を題材にした映画の企画を進めており、創価学会関係者や後藤組組長の後藤忠政がそれを快く思わず、後藤配下の5人が伊丹の体をつかんで銃を突きつけ屋上から飛び降りさせたと、自身が取材した人物が語ったという。また大島渚や立川談志など古くから伊丹十三を知る人物も、警察が死因を「自殺」と断定した後も「不倫報道ぐらいのことで、あいつは自殺しない」「飛び降り自殺は絶対に選ばない」と話し自殺を否定した。宮本信子は2002年12月20日、「感謝の会」における挨拶では「本人が決めたことですから仕方がないですけれども」と語った〉增強記憶力
 要するに、伊丹十三の「突然の死」は、警察が自殺と「断定」、また妻・宮本信子がそれを「追認」したが、巷間では「謎」とされているということである。著者もまた、「断定」ではなく「想像」(推測)として述べているに過ぎないが、もし「自殺」であったとすれば、伊丹十三という人は、人一倍「極み」に達していた人物であり、また人一倍「幸福な男」である、ということがよくわかった。
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